キミが、好きです ~茜色の空の下~
「今すぐ引っ越すワケじゃねぇだろ。
んなこと言うなよ。
すげぇ悲しくなんだよ」
俺の方が悲しいし……。
「こころは……分かってくれっかな?
前に進めるかな?」
「……大丈夫だろ。
叶多の気持ちは……分かってくれるハズだし」
拓の励ましが、
俺の不安を半分に減らしてくれる。
――――ピロリロリン♪
不意に、着信音が静かな教室に響いた。
「……もしもし?」
《あっ!叶多くんだぁーっ!!》
おもわず、笑みが零れる。
声も似てんだなー。
「ゆめちゃん?
体調悪かったの?」
《うん。だけどね、叶多くんの声を聞いたら元気になったよ!》
無邪気な言葉が、
胸をくすぐる。
なんか……こころに言われてるみたいだし…。