夜姫-Lie girl-上
その格好だけで性格がドきつかったらさすがにダメだと思ったあたしは、気の小さい怖がな女の子を演じるけど、
それがいつも、あたしのイライラを生む。
まぁそれでもこうすることを辞められないのは自分のせいなのだけど。
とりあえずあたしの席を返してもらおう。
「あ、あの………」
でも直ぐに返せと言えないのが今のあたしなのだ。
「あ?何?」
「ひっ!
や、あの、そこ、あたしの…」
本来の自分であればこの二人を今すぐ目の前から消すことが出来るのにと思いながら演じることを止めないあたし。
未だ、バレたことはない。
「チッ、なんか面倒くさいの来たから向こう行こ!」
「あーもう!
折角メイク直ししてたのに!!」
「す、すいません…」