【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!





「でも、俺…家出て良かったよ」


「……へ?」


「お前にまた会えた。」




そう言ってあたしの体を優しく抱きしめた。




千里、ほんとにそう思ってる?


ほんとは家を出て後悔したんじゃない?




お母さんとお父さんに会いたいんじゃない?




あたしは千里の手の暖かさから
そんなふうに読み取った。



「…千里、あたしも会えて良かった。」



「…望未…っ」



「…んっ」



千里はあたしの唇を塞いだ。



ちゃんとお母さんとお父さんに
話したほうがいいよ……千里……



そう言いたかったけど、
今の千里には言うことができなかった。



< 332 / 443 >

この作品をシェア

pagetop