俺様天使と小悪魔ちゃん



あれ?

どうやらぎゅっと目を閉じていたみたいなので、おそるおそる開けてみた。


最初に目に飛び込んできたのは純白のローブ。

もしかして?
と思いつつ、そぅっと視線を上にあげてみると、あきれ顔のイサヤ少尉。


「はぁ〜」

目が合ったとたん、思いっきりため息つかれちゃった。


「お前なぁ…
 むちゃくちゃにもほどがあるだろ」

「?」

「講義、ちゃんと受けたのか?
 扉をくぐって地上まで降りるには、
 ちょっとしたコツがいるって
 学校で教わらなかったか?」

「あっ!」

「まったく…
 なにが首席で卒業しました、だ。
 歴代の首席からクレームが来るぜ」

さらに呆れた感じが増した顔で言われちゃった。

「むぅ〜」

「なんだよ、
 なにか文句があるってのか?」

「いえ!まったくございません」

今回ばかりは言い返す言葉が見つからなかった。
でもそれがダメだった。

「そうだろ、そうだろ。
 面倒くさいから、
 今日はこのまま地上まで行くぞ」

そう言ってフイッと視線をそらされた。


「えっ!?
 ぎゃ〜〜〜」








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