チェンジ type R
 確か、私がアレを読もうとしたのがもう五年も前になるだろうか。
 中学校になりたての頃だったと思う。
 小学校の頃から、お父さんの仕事場兼書斎にある本を読み出してて、最初はファンタジー作品から手を付けていってた。
 『ちぇんじ』は本にかかってる帯を見て、これがお父さんのデビュー作なんだ、と思って読み始めた記憶がある。

……が、読み始めてスグに読むのを止めたんだよね。

 登場人物の名前が家族に似てるから。
 まず主人公の名前のマリ。
 これがお母さんの名前そのままだったり。
 次に身体の入れ替わった男の子の名前、『隼人』だ。
 これはお父さんの名前。

 もう、これだけでも小説を読んでもお父さんとお母さんの顔が浮かんでしまって、なぜだか照れて読み進めないような感じで。
 まあ、読むのを止めた決定的な理由は別の所にあったんだけど。

 読み進むにつれて、どんどん切ない気分になっていくのだ。
 内容はコミカルに描かれているにも関わらず、だ。
 理由はまるで分からないけど、ノスタルジックな気分になってしまった。

 特に作中の隼人が出てくるあたりでその切なさはピークに達してしまい、それ以上読むのがツラくなり止めてしまったのだった――。

 でも、こんな状況になってしまった現在。
 ちゃんと読んでおけば良かった、と若干後悔している。
 元に戻る方法のヒントに……なったかもしれない。

 けどねえ……まさか、小説内では『そんな方法』で元に戻るなんて。
 ハヤトくんも困っているようだけど、私も困るよ……。

 まさか――『入れ替わった者同士でエッチをする』だなんて。
 そんな方法、簡単に「じゃあ、やってみる?」とは言えないよ……。
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