チェンジ type R
 待っているときほど時間の経過は遅く感じるものだ。
 平たく言えば、少しでも早く来て欲しいとバスがなかなか来ない。
 自分の体内に在る時計では軽く文庫本一冊くらいなら読破できそうな時間が経っているような気分さえするのだが、それは飽くまでも主観的な時間らしい。

 時計を何回確認しても、前に見た時点から一分くらいしか経過してない。
 もうね、思考回路は確実にショート寸前なラインまできています。
 どうして『待つ』っていう時間はこうも長く感じるんだろう?
 この謎を解明してくれた人には個人的に賞状でも贈りたい気分だ。

 時刻表を見る限りでは、バスは後十分ほどで到着するはずなのに……。
 時計を何度見たところで時間が全く進まない。本当に壊れてるんじゃないかと疑いたくなる程に進んでいない。

 いきなり降って湧いたようなこの展開……私一人で考えるには難解すぎる!

 私の携帯から返信されてきたメール。
 そこに書かれてあったこと。

 『俺は隼人だ』

 何がどうなって……?
 やはり、隼人くんが私と入れ替わってしまっているのか。
 だとすれば、私が見ていた隼人くんの霊は一体?

――幻覚?

 助けを求める私の意識が勝手に隼人くんの霊を作り出していたのだろうか?
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