チェンジ type R
 どれだけ冷静になろうとしてみても、理解の範疇を超えすぎて考えがまとまらない。
 いや、まとめようとしたところで情報がてんでバラバラでまとめようが無い。

 このメール、どうやって返事をすれば良いのだ?
 電車の中で隼人くんと話していた通りに、このメールの主を呼び出すか。
 それとも、相手がちゃんと分かるまで様子を窺ってみた方が良いのだろうか?

 『隼人くん』という存在が……自分の中であやふやになりそうな、こんな時にこう思うのは我ながら矛盾しているという事は判っているが――。

――こんな時こそ……隼人くんの助言が欲しい!

 バスが来たら、真っ先に乗り込もう。
 きっと隼人くんと窓越しに相談できるはずだ。
 このメールの隼人くんが何者なのかは分からない。
 しかし、現在の時点でハッキリしていることは――私が頼りにできるのは、私の傍に居る隼人くんだけしかいない――ということだ。

 隼人くんは、このメールを見て、どう考えているのか。
 一人ではどうすれば良いか分からないくらいに混乱しているが、隼人くんと二人ならば……何かの光明が見えるのではないか。

 でも……もしも、本当に隼人くんが……私の作り出した幻覚だとしたらどうしよう。

 拭いようのない、粘着質な不安が私を襲っていた。

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