中谷君、それはギャグですか?



「……最初は、こんなんじゃなかったんだけどな」


ぼそり。
呟いた刹那、ブワッと中谷君との思い出が蘇る。

ここ最近、何があったんだっけ。
……あ、そっか。最初はよく思ってなかったんだった。
なんて。


「中谷君」


ーーーごめん。
そんな言葉が浮かんだ。


「俺、許されたいんだ……中谷君に。
そのことで、君の認識、家族の認識が変わるわけがないってわかっているはずなのにな」


肝心の彼は、ぐっすりと眠りの世界に入っている。
だからこそ、言えたことなのだが。


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