君想い【完】


舞ちゃんが行方不明。

両親は、僕たちの探している祥吾はどこへ行った?


「ねえ、祥ちゃんは?」


さりちゃんはうわごとを喋るように何度も同じ言葉を呟いた。


香代がさりちゃんの手をずっと握っている。


「祥吾は?」

「病院にいる。」

「は?病院?」


さりちゃんの手が震えだしたのが分かった。


香代が震えた手を強く握り返しているのも分かった。

「今日何があったの?この家で。」

「それは言えない。言えないというか、僕たちも確実には分からない。」



さりちゃんの涙が止まらない。

ゆかの目も潤みだした。


僕はゆかを引き寄せ、手を握った。


ゆかが指を絡め、強く僕の手を握る。


今ここにいる誰もが不安と緊張に追われている。


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