君想い【完】


トイレはわりかし綺麗で、
芳香剤の匂いがした。

姉貴がためらいもせず、
何も書かれていないドアを開けた。


ドアの中はいくつかソファーが並んでいて、
電気は二つしか無い。

薄暗い、小汚い部屋だった。


なにより
ものすごい異臭がする。


臭いわけじゃない。

鼻をつく嫌な匂い。


煙草より
きつい匂いだ。


薄暗い部屋は
煙草の煙なのか、
それとも他の煙なのかは分からないが
スモークが掛かったかのように煙りが充満していた。


「龍司!」

「あれ~?せーんぱーい!珍しいじゃないっすか!俺の連絡ぶちっといて。」

「うるさい。あんたに話があるんだけど。」


久しぶりに見た佐倉先輩は









別人だった。


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