グラウンドに咲く花

暖かな2人の家

私達は桜が咲く通学路を朝通ったときとは反対に歩いている。

何故か隣を裕翔が歩いていると安心する…。

小学校のとき一緒に通ったからかな?

裕翔が隣にいるってだけでほっとするんだ。

「なぁ、今日うちで飯食って行くか?」

私のお母さんは約3年前の震災で死んじゃったんだ。

老人ホームで働いていたから逃げ遅れてしまったのだそうだ。

父も今は海外赴任中である。

そのため、裕翔の家でご飯を食べるのは当たり前になってきている。

裕翔のお母さんのご飯はとても美味しくて、食べる度幸せな気持ちになれるんだよね。

「あー…うん。ご馳走になろうかな」

私がそう言うと裕翔はにっこり笑った。
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