【短】本命チョコはキミだけに。
「ほら、チビチビ~」
私の頭をポンポン触る。
「もうっ!やめてよ!」
でも、結構そうされるの好きだったりするんだ。
「さ、チビ。帰るぞ」
「……うん」
絢斗に文句を言いまくりたいけど、帰らないとね。
校門をくぐっていつもの通学路を歩く。
「………なぁ」
絢斗が口を開く。
「ん?」
「もうすぐ、バレンタインだな」
「そ、そうだね」
絢斗には毎年義理チョコとして、チョコをあげている。
もちろん今年もそのつもりだったんだけど……。
「……誰か、好きなヤツにあげるのか?」
「え……」
絢斗からそんな質問をされるとは思ってもなかったから、驚いた。