雪恋ふ花 -Snow Drop-

休日は適当に食べるので朝食の準備はしていなかったが、ホットケーキミックスがあったのを思い出し、冷蔵庫の卵と牛乳で粉をといた。

1枚目のホットケーキを焼き始めると、珠がソファーの上で身じろぐのが見えた。


「中からチャック、おろして。そしたら、出られるから」

台所からリビングに向かって声をかけると、珠が寝袋からもごもごと脱出してきた。


「おはよう。やっぱり、ネコだ」

「え?」

「タマは、臭覚がネコ並なんだな、きっと」

春人がそう言ってクスクスと笑い出す。


「ちがうよ。それに今、ネコみたいに呼んだでしょ」

ふくれて見せて、珠はこんなふうに普通に会話していることに驚いた。

< 124 / 181 >

この作品をシェア

pagetop