雪恋ふ花 -Snow Drop-

スキーブーツで凍った雪道を歩くことにもだいぶ慣れたが、春人はちゃんと珠のペースを見ながら、ゆっくりと隣を歩いてくれていた。
途中でレンタルスキー店に寄って、板を借りる。


スキー場に着くと、珠はとても懐かしい気がした。
春人と初めて出会ったこの場所に、今は二人で来ている。
準備運動を済ませ、スキーを履く。
ニューモデルのパープル基調のウェアに黒いサングラス。
相変わらず、スキー場で見る春人は別人のようにかっこう良かった。

珠はどきどきする胸をそっとおさえた。



初めは足慣らしということで、南ゲレンデの初級コースで滑ることにした。
リフトを降りると、目の前にはいつか見た絶景が広がっていた。
雪は1月よりは少しやわらかかったが、今年は積雪が多く、3月とは言えまだまだ雪質は良かった。

今シーズンは6回目のスキーなので、珠の体がしっかり滑りを覚えていた。
春人はゆっくりと途中で止まりながら、滑ってくれた。
それからリフトを乗り継いで、二人は中央ゲレンデへ向かった。

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