小咄
---こここ、このままじゃ、何かもう、どうでもよくなっちゃう……---

 小さく痙攣する身体を懸命に起こし、深成は慌ててベッドの傍らに置いていた自分のバッグに手を伸ばした。

「ま、真砂。あのね、あの、これしてくれなきゃ嫌だよ」

 言いつつ、バッグから出したものを、真砂に渡す。
 千代に渡された、身を守るお守り。
 ちょっと真砂が、妙な顔をした。

「……嫌?」

「そうじゃなくて。何でお前が、そんなもん持ってるんだ」

 いかにもお子様な深成が、きちんとそういうモノを用意していたのが意外だったようだ。

「お前、結構こういうことがあるわけか?」

 真砂の目が鋭くなる。
 深成はキャバ嬢なのだし、別に真砂の恋人なわけでもない。
 枕営業を何とも思わないキャバ嬢なら、このようなことなど日常茶飯事だろう。

 そんなこと、ホストの真砂だって重々承知だろうに、目に宿る怒りは尋常ではない。
 慌てて深成は、ふるふると首を振った。

「そんなこと、あるわけないでしょ。わらわ、アフターは今日が初めてだもん。大体わらわのお客さん自体が、真砂だけなんだからっ。これは、今日出るときに、千代がくれたの」

「ふーん……」

「やっぱり……わらわも、そのままじゃ怖い……」

 小さく言う深成に、真砂は身を起こした。
 深成から受け取った『お守り』を開ける。

「これをつければ、俺はお祝いを貰えるわけだな?」

 にやりと笑う。
 深成は赤くなりつつも、こくりと頷いた。

 どうやら色仕掛け自体は失敗に終わったようだが、真砂には最高のプレゼントを贈ることが出来そうだ。

「わらわ、真砂としかアフターしない。また誘ってね」

 そう言って、深成は真砂に抱きついた。

・:・☆・:・★・:・☆・:・★・:・☆・:・★・:・☆
 お色気バージョン。……失敗( ̄▽ ̄)
 頑張ったんですけどね、深成も左近も。全然駄目だわ。

 ていうか、多分真砂には通じない。
 六郎には通じるかもね。

 んでもちょっと18禁。
 どこまで書けばいいんだぁ? と思いつつ、まぁいつもよりは踏み込んだと思いますけど、いっつもあんまり書かないシーンだからさぁ。書けば書くほど規制真っしぐらになりそうで( ̄▽ ̄)
 ここまでが精一杯かな。

 真砂は何気に深成の涙に弱いです。しょぼん、としただけで、実はグラついてるかもね。
 相当めろめろなんじゃないの……?(* ̄▽ ̄*)

2014/08/27 藤堂 左近
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