小咄

とある中学校の体育祭:午後

【キャスト】
教師:真砂・六郎
生徒:深成・千代・あき
・:・☆・:・★・:・☆・:・★・:・☆・:・★・:・☆

 午前の部はつつがなく(?)終わり、いよいよ戦いの舞台は後半へ。
 後半の目玉は、最終種目のハンティングリレー。

 簡単に言うと借り物競争だが、この場合の『借り物』はある程度決まっている。
 各クラスから、くじで選ばれた生徒が柵の中に集められ、走者である担任が、柵の中の一人を担いで走る。

 誰を選ぶかは自由。
 各クラス一人だから、走者と借り物の生徒は同人数。
 さっさと柵に辿り着いて一人を捕まえないと、選択の余地がなくなる。

 体重など考慮しないので、選ばれる生徒によっては担任より重いことだってあるのだ。
 さすがに女の先生のクラスは除外されるが。

 しかも、早く柵に辿り着いたからといって、早く生徒を担げるとは限らない。
 生徒は逃げ回るし、さらに担ぐ生徒の足に、鉢巻を結ばねばならないというルールだ。

 両足を拘束するわけではなく、片足でいいのだが、動き回る人間の足に、ぺらぺらの布を巻きつけるなど、簡単なことではない。
 かなりの死闘が、柵の中で繰り広げられるわけである。
 まさしくハンターvs羊。

 距離も400mと短くない。
 初めの200mの後でコース中央の柵に入り、生徒(羊)をハント。
 そして生徒を担いで残り200mを走らねばならない。

 もちろん後半の200mの間、各クラスの妨害はあるし、担いだ生徒が大人しくしているとも限らない。
 つくづく、どういう学校なんだか(しかも女子校……)。
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