いたずら太陽。〜世界で1つの光〜
気づいた心
[Side 太陽]
別れた後、姫織が見えなくなるまでオレは姫織の背中をみてた。


「…。…なぁ、太陽。おまえさ、姫織ちゃんの事好きなの?」


「はぁ!?なわけないだろ!あいつとは赤ん坊の頃からのただの幼なじみだって!!」


前にも亮佑に言ったはずなのに何を言い出すんだ。


「ふーん…。
じゃあさ、例えば姫織ちゃんが、他の男に触られたらどうおもう?
うーん…。
じゃあさっきオレが撫でた時どう思った?」

「なんかイラッ!っときておまえの手を姫織から離させたかった。
たぶんおまえじゃなかったら、一発殴ってると思う。
いや。半殺しかも。」

嘘は言っていない。

ふざけてもいない。

全部本心だ。

「太陽さ。
それが好きっていう事だろ。
ただの幼なじみだったらそこまでやらねえよ。
にぶすぎ」

そう言って亮佑は走っていって少ししたところで振り向き

「太陽!!ぐずぐずしてると俺が取っちまうぞ!!」

「はぁ!」

あいつ俺に喧嘩売ってんのか!?

亮佑が見えなくなってからそっと空をみた。

気づいてなかったんじゃない。

きっと気づいてた。

いや…絶対気づいてた。

気づいてたからこそ、怖かったんだ。

もし告白なんかして苦しめて姫織を壊してしまったら?

それを恐れた。

そして、今の関係も無くなってしまうんじゃないかということも恐れた。

だからオレは気づいてる事自体をオレ自身の中で忘れさせたんだ。

姫織

頼むから他の人の女にならないでくれ

俺は青い大きなものに訴えた。

「太陽さっさと来い!」


亮佑 いくらお前でも、とらせねぇよ…


「あぁ。今いく!」
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