傷ついてもいい
迷い
「かーな。夏休み、どうすんの?」

7月になり、構内は学生の姿もあまり無く、佳奈達も、1週間ほど連休を取れることになった。

「そうだなあ、実家はこないだ帰ったしな」

「旅行にでも行ったら?斎藤さんと」

麻衣子がニヤニヤしながら言う。

「ああ、ほんとだね」

斎藤といる時間は佳奈にとって現実的で、建設的な時間だった。

直己といる時とは違う。自分の将来について考えられる時間。

だからこそ、ちゃんと向き合わなければ、と佳奈は思っていた。
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