傷ついてもいい
「妹さん、結婚するの?」

電話を切ると、斎藤が聞いてきた。

「うん、赤ちゃんできたんだって!」

「そうかあ!先越されちゃったな」

斎藤は、楽しそうに言う。

「立て続けだと、ご両親も大変だし、俺達は、もうちょい先だな」

「うん、そうだね…。こればっかりは仕方ないか。赤ちゃん、どんどん成長しちゃうしねえ」

二人で顔を見合わせる。

「まあ、もうとっくに行き遅れてるから一年くらいいいよ」

佳奈が笑うと斎藤も「確かに」と笑った。

「予約は、しっかり入ってんだから。焦ることないよ。あ、すいませんが、こっちは、キャンセルなしでよろしくお願いします」

「わかってます!すいません!」

佳奈は、少し気まずい思いで手を合わせる。

「けど、まあおめでたいね。妹さんってまだ若いんじゃなかったっけ?」

「うん、12歳下!」

「おお!そりゃ凄い!うちの妹も5歳下だけど、さらに下だなあ!話合うかな?」

「オジサン扱いだね、間違いなく!」

佳奈がからかうと斎藤は「オジサン上等」と開き直っている。

なんだか楽しい気分だった。




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