傷ついてもいい
待ち合わせは、可愛らしいフレンチレストランだった。入口に小さなランプが灯っていて暖かい雰囲気をかもし出している。

「私も連れてきてもらったことないよ」

入口で鉢合わせて、佳奈が斎藤に言うと「いや、コイツが予約してくれて」と斎藤は、一緒に来た背の高い男を親指でクイとさした。

「はじめまして。中岡物産の梶原と言います」

「あ、はじめまして」


佳奈と麻衣子も頭を下げる。

あんまり愛想がよくない人、と言うのが梶原の第一印象だった。

もう一人は、すでに店で待っているらしい。

四人で店に入った。

「すいません。お待たせして!」

佳奈は、斎藤の後輩の和田という男に頭を下げた。

「いえ、全然大丈夫です。本日は、お忙しいのにわざわざありがとうございます」

和田は、ニコニコと頭を下げる。

いかにも銀行マンらしい和田の振る舞いに佳奈は笑いそうになった。

「お前は、ほんっと硬いなあ」

斎藤は、笑って和田の肩をポンポンと叩く。

麻衣子も、そう感じたらしく噴き出してしまった。

「ほら!麻衣子ちゃんにも笑われてるぞ」

あはは、と佳奈も笑い、ご飯会は和やかに始まった。
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