傷ついてもいい
大切な人
「ただいまー!佳奈っ」

数日後、斎藤が韓国から戻ってきた。

「おかえり、翔太!出張お疲れさま」

佳奈は、仕事帰りに買い物を済ませ、斎藤の為に里芋の煮物にチャレンジしてみた。

「なんかいい匂いだなあ!」

「口にあうといいんだけど」

佳奈は、ドキドキしながら、里芋を皿に盛る。

「どうかな?」

「んー、ちょっと濃い目だけど、うん、ビールには合いそうだな」

斎藤は、苦笑いしながらも、里芋を口に運んでくれる。

「あー、ビールが美味い!」

「よかった」

佳奈はホッとして自分もビールを飲んだ。

「韓国は、どうだった?」

「うん、面白かったよ。あ、これ韓国海苔」

「あーこれ好きなんだよね、ありがと」

佳奈は、海苔を出してパリパリと食べた。

「そっちは?結婚式、無事に?」

「うん!すごくいい式だった。由奈も俊くんも幸せそうで」

佳奈は、結婚式を思い起こす。

「そうかあ、よかったなあ」

斎藤は、本当に自分のことのように優しく笑ってくれた。


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