傷ついてもいい
佳奈の実家と斎藤の実家にも、挨拶と報告に行った。

どちらも佳奈達の年齢のせいか、手放しで喜んでくれて、特に斎藤の実家では、以前の奥さんのことから、斎藤が抜け出せないでいたのを救ってもらった、と佳奈は、感謝されてしまった。


「いえ、そんな。救ってもらったのは、私のほうなんです」


佳奈は、色々な想いをこめてそう言った。

本当にそうだ。

斎藤がいなかったら、佳奈は、今頃どうなっていただろうか。

うまく笑うことさえ、出来なくなっているんじゃないだろうか。


心の奥で、傷がピクンと痛んだ。
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