幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜
まだまだ遠慮は感じるけど、同じ時間を過ごすうち、不意に弱い部分や、可愛い部分を見せてくれるようになった彼女を愛しいと思う気持ちも、前とは比べ物にならないくらい、強くなって行くのもわかった。



控えめなのに芯はとても強くて、その強さの中に、優しさをたくさん秘めている。

一言で言うと、彼女はそんな人だ。

だけど、優しいから、いろんな辛さ、苦しさを飲み込んでしまう。

自分が折れそうになる寸前まで、周りの人を思いやり、気を遣ってしまう。



そんな彼女を俺は支えてやりたい。

俺なんかに荷が重すぎるのかもしれないけど、何とかして、彼女を、温人を守ってやりたい。



そう思うくらいなんだから、もう間違いない。

俺は彼女を愛している。

それが、半年以上かけて出して答えだ。



でも、その気持ちを正直に伝えたら、彼女はどう思うんだろう。

彼女が俺と一緒にいてくれるのは、あくまで友達として、同僚としてであって、頼りない年下の大学生の告白なんて、まともに取り合ってすらもらえないかもしれない。

だとしたら、告白してしまったせいで、二人と疎遠になってしまう可能性だってある。



だけど、俺には時間がない。

卒業を迎えれば、もう彼女と一緒に働くことはなくなる。

特に用事もないのに店の近くをふらつくことだって出来なくなるし、そうなれば、二人に頻繁に会うことだって.......
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