もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「きちんと話すから。でも、こういうの得意じゃないから……分かりにくいかも」
こんなことに遭遇しないために、あえて避けてきたことだから、いざ話そうとしても、どこから何を話していいのかわからない。
だから、きっと私の話はわかりにくいと思う。
「大丈夫。わからないことは質問するから」
でも、そんなことリュウには関係ないみたいで、こんなことに慣れているリュウは、その対処の方法すら心得ている。
「うん。取り敢えず……私が泣いてたのは、ジュンのせいじゃない。自分でも、泣いてるつもりはなかったし」
「そっか……じゃあ、先にジュンとの関係を教えてくれる?」
「あ、うん。えーと、ね」
私はなるべくわかりやすいように、順を追って話を進めた。
拉致られたことから、一つ一つ丁寧に……
「ふーん。そっか、で、純麗ちゃんは、ジュンのこと好きなの?」
「はっ?」
「それも自覚ない?」
泣いたせいでカラカラになっていた喉は、喋り続けたせいで、ますますカラカラになる。
話の途中で、何度か水分補給をしたけど、尋常ならぬ喉の乾きには意味のないことだった。
だから、話終えた今、一気に水を流し込もうと思ったのに、リュウがおかしなことを言うから、私の口は半開きのまま固まってしまった。
「純麗ちゃんは、ジュンといると感情の起伏が激しくなるんでしょ?」
「あ、うん。そんな感じ」
「ジュンの言葉や行動にそうなるんだよね?」
「うん」