もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
こうやって、どんなに激しく求め合ったって、事が終われば残るのは虚しさだけ。
一時の快楽が私の寂しさを紛らわしてくれるだけで、結局の所、何も変わらない。
そんなこと、わかってる。
今更、それ以上を期待しているわけじゃない。
ただ、その一時が欲しくて、私はあの街に足を運ぶんだ。
「純麗、少し眠ってもいいか?」
「いいよ」
「30分経ったら起こしてくれ」
「わかった」
私を抱き締めていた手から力が抜けるまでに、そう時間はかからなかった。
透の寝息を確認した私は、起こさないようにベッドからすり抜ける。
そして、怠い体を少しでも楽にするために、シャワーを浴びた。