もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
その話を聞きながら、居ても立ってもいられなくなった。
“これしかない”という直感に賭けてみたい。
私は学校を抜け出し、聞いた話の場所へと急いだ。
ドキドキ感っていうのかな?
何かが変わってくれるかもしれない期待に胸を膨らませ、無我夢中だった。
昼間から、さっきの話のようなことが起こるはずなんてないのに……
この時は冷静さを失っていた。
そして、“これしかない”という直感というのは私の勘違いで、本当は“これならば”という願望だった。
私はいつだって、現実から抜け出せる場所を探していたんだ。
私の居場所を探していたんだと、今になるとそう思う。