もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~


途中から、体を売ってお金を貰っているという話だとはわかってきたけれど……



お金には不自由していない。



言えば言った分の金額が、私の手元には転がり込んでくるのだから。



聞き耳を立てて、話を聞き始める。



「朝まで一緒に居てくれたら、3万上乗せするとか言われてさ。結構イケてたし、オッケーしちゃった」



「いいな!!私もやりたいんだけど」



「じゃあ、今日一緒に行こう!!」



「どこへ?」



「飲み屋街わかる?そこの地下で改札前」



「わかる。わかる。ネオンがヤバイとこでしょ?」



「そうそう。そこに立ってるだけ。ナンパしてくる奴に“いくら?”って聞けば、通じる奴には通じるから」



話に夢中になりすぎて、いつの間にか手にしていたパンを落としてしまっていた。



あーぁ、もう食べれないし。

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