もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

もしかして、ジュンは助けてくれたのかもしれない。



……なんて、一瞬でも思った私が間違いだった。



「お前も行くぞ」



そう言いながら、私の左腕をまたしても強引に引っ張ってゆく。



「ち、ちょっと!!なんなの?!まったく意味がわかんないけど!!説明してって言ったでしょ?」



殺されるわけじゃないとわかった私は強気。



思い切り、ジュンの手を振り払った。



「いくらだ?」



「はっ?」



どうして、私が睨まれなきゃいけないの?



怒りたいのは私のほうで……



理不尽なことされているのは、絶対に私なのに……



ふぅ~なんだか涙が込み上げてきた。



色んな事が次々に起こってるのに、私の気持ちは着いていけていない。



そのせいで、頭の中も胸ん中もごちゃごちゃだ。
< 87 / 342 >

この作品をシェア

pagetop