バスボムに、愛を込めて
「来月にはチームも解散か……変な意味じゃなく、美萌のいない職場は、物足りなそうだ」
キスの合間に、憂鬱そうな声で瑛太さんが言った。
「あたしは変な意味で物足りないです。栄養源の“萌え”が枯渇しちゃう」
「……馬鹿」
こつん、とおでこをぶつけ合って、あたしたちはまたキスを再開させる。
その間に、瑛太さんの持っていたカードが足元に落ちていたらしい。
たくさんのハートが浮かんだお風呂で散々じゃれあった後でそのことに気が付き、それを拾って眺めたあたしは自然と笑顔になっていた。
これから瑛太さんとの間に何か問題が起こったとしても、あたしはきっとこう思って乗り越えるんだろう。
他のやり方は知らないし。
これが一番、あたしらしいと思うから――――。
【凹んでいる暇があったら、新たな行動に出よ。
まっすぐな想いは、きっと相手に届く。/化粧品会社勤務 24歳OL】
バスボムに、愛をこめて
END


