Re : Birthday





「それにそうだ、これからずっと君に会いに来れば、僕は君に忘れられないね?」


「その前にお前が忘れるよ」

「分からないじゃないか」

「分かるよ。それは分かる」




思ったよりも少年はまっすぐで、素直な子供だった。そしてその心は、どうやらとても、硬いらしい。




「顔も名前も思い出せないけれど」




思い出を大切に掘り起こすと、たしかに浮かんでは消える、存在が。その形を、輪郭をなぞっても、見つけ出すことはできない。けれど、過去にもいたんだ。確かに。同じような言葉を、聞いたことがある。




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