Re : Birthday





不思議な少年の瞳は、まるで見ればどんな生命の真実でも見抜けそうな鏡のようだ。

何を考えているのかは分からないけれど、何でも見透かすことができそうだ。僕の心まで読めるかは、どうだろう。それは知らない。



一体この少年は、いまこの時に存在しながら、どの時代を生きているのだろうか。

大丈夫なのだろうか。




「毎日、ここに来てる」




やはり機械のような声で、少年は繊細な言葉を吐いた。




「へぇ。どうしてだい?」


「……なつかしいから」


「?」




迷子の子供の瞳は、何を探しているのだろう。






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