情熱効果あり

料理出来る人って、かっこいいかもしれない。今まで料理出来る人とは付き合ったことがなくて、ほとんど外食だった。

新鮮だなー。


「あんまり見られると照れるんだけど…」


「あ、ごめんなさい」


急いで視線をテーブルに移した。照れると言われても、照れているようには全然見えないけど。


「はい、出来たよ。運んでくれる？」


「はい」


どこでも私の役目は運ぶこと。簡単過ぎる。


「どう？」


「美味しいです！とても美味しい…すごいですね」


家庭の味というより、レストランの味だ。こんなのが作れるなんて…私が作らなくて良かった。恥をかくところだった。


「良かった。学生の時にバイトしていたレストランで教えてもらったんだよ」


「へー。本当に美味しいのです」


なるほど、レストラン仕込みの味なんだ。それではかなわない。