情熱効果あり
寒くなってきてはいるけど、まだ手足が冷えて困るほどでの季節ではない。

雅樹先輩は私の報告を手帳に記していた。初めて真面目な一面を見た気がする。


「哲志は昼休み?」


「はい。何か用事ありました?」


「んー、どこで食べてるかな?あそこのカフェか?」


「どうでしょう?聞いてないので分かりませんけど」


雅樹先輩は哲志先輩に電話を掛けて、居場所を聞き出していた。


「ラーメン屋にいるらしい。俺も行ってくるよ。またな。…どうも毎度ありがとうございました!」


元気良く挨拶して、ラーメン屋に向かって行ったようだ。


「戻りました」


「お帰りなさい。雅樹先輩に会いました?」


「ああ、うん。来たよ」


雅樹先輩が帰ってから、30分後に戻ってきた。

少しでも話は出来たのかな?用事があったみたいだから、話す時間があったならいいけど。


「麻衣さん、ひだまりに行きませんか?」
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