情熱効果あり
荻野健(おぎのけん)、2つ年下で、やっぱり同じ大学出身だ。


「健くん、おはよう」


「あ、局長。おはようございます!」


健くんの肩を叩いて、入って来たのが、うちの薬局のリーダーである柳井局長。

年は40代半ばで、シングルマザーである。


「局長、おはようございます」


「麻衣ちゃん、おはよう。聞いてよー、うちのサヤカったら、朝から文句ばかりでね…」


局長は、反抗期真っ只中である一人娘のサヤカちゃんに頭を悩ませる日々で、愚痴が増えてきている。


「「おはようございまーす」」


「睦美さん、薫さん、おはようございます」


揃って、出勤した睦美さんと薫さんは共に主婦で、2人とも30代後半。


事務員の薫さんと、5人の薬剤師がこの調剤薬局のメンバーである。


「はい、とりあえず朝礼を始めるわよ」


局長の掛け声でみんなが立ち上がる。本部からの通達を読み上げるだけの簡単な朝礼なので、あっさり終了。
< 2 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop