情熱効果あり
「あのね、さとし君はね、いっぱい遊んでくれてね、優しいんだよ。それにね、お薬もね、いつも美味しく作ってくれるの。僕ね、お薬ちゃんと飲めるんだよ」


「そうなのー。ばあちゃんもぜひ会ってみたいわ」


私が服装に悩んでいる間、蓮は哲志先輩がどんな人かお母さんに教えていた。大好きな哲志先輩だから、良いところがどんどん出てくるようで、蓮の説明は長くなっていた。


お母さんたちは、私が出るよりも先に出掛けて行った。


「よし、準備出来た!」


悩みに悩んだ動きやすい服装は、淡いピンク色のカットソーに紺色のキュロットパンツ。


それにお泊まりセットと明日の通勤服をカバンに詰めた。明日また一緒に出勤すると、冷やかされるかな。


今日はお天気が良くて、いつもよりも気温が高い。薄手のコートは着ないで、手に持つ。


「おはようございます」


「家は誰かいる?お父さんとかお母さんは…」
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