情熱効果あり
「一番迷ったのは、タイミングかな。麻衣にどのタイミングで誘えば、振り向いてくれるのかとかなり悩んだよ」


「そんな悩みがあったなんて…」


哲志先輩が視線をペンギンに移すから、私もつられてペンギンを見る。さっきのペンギンがやっと決心が着いたのか、飛び込んだ。気持ちよさそうに泳いでいる。


「何年も悩んだよ。タイミングを逃した時は諦めるしかないと思ったけど、別れたと聞いて、慌てて自分も別れたりして…」


「慌てて別れたの?」


相手にしてみれば、失礼なことだと思う。突然別れを告げられるなんて、怒ったりしなかったのかと心配になる。


「麻衣が良かったから」


「スムーズに別れられたの?」


「うん。わりとあっさりしてたよ。お互いにあまり気持ちがなかったからね」


「ふーん」


気持ちがなくても付き合えるのは、ある意味すごいと思う。
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