情熱効果あり
私は哲志先輩に合わせて、立ち上がった。まだ歩き出そうとはしないけど。


「ずっと待ち望んでいたから、麻衣との確実な未来が欲しいんだ」


哲志先輩の目の前に立つ。

オレンジ色の空は紺青色へと変わり始めてきている。周りに人がいるのは分かっていても、じっくり見ない限り気にならなくなった。


「あたしも哲志と一緒の未来が欲しいよ。だから、哲志が拒絶したとしても、みっともないけど、しがみついて離れない。ううん、離さないよ。覚悟してね」


さらに一歩進んで、哲志先輩に抱き付いた。


「ハハッ、さすが麻衣だ。俺だって、負けないよ。離さない…」


見上げた私の背中に手を回した。そして…


さっき私が欲しかったキスをくれた。

このキスには、永遠を信じられる効果がある。


キスのあと、私たちは手を繋いで、役所を目指した。


 ーendー
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