蘭子様の素敵な部活動。

「キャー!薫ママ~!!」

蘭子は蓮見邸の門をくぐり邸内のリビングまで行くと見覚えのある姿に思わず抱きついた。


「蘭子ちゃん!?」

「お久し振りです~!!」

「おかえりなさい蘭子ちゃ~ん。見ない内にこんな美人になっちゃったの~?もうビックリよ~!!」


薫の母は蘭子が帰ってくる時間に合わせて夕食の準備をしている最中だった。


「やだ、薫ママだって変わらずお綺麗で~♪」

「もう蘭子ちゃんったら、アメリカ行ってジョークまで上手くなってきちゃったのね♪」


蘭子と薫の母が感動の再会をしてキャッキャと騒いでいる中、薫は何も見えてないかのように二人を無視し、そのままトランクを上の部屋に持って上がっていった。


「薫!夕食もう出来るんだから、寝ちゃダメよ!蘭子ちゃんの荷物置いたら降りてきなさいよ!」

薫は常に眠そうな力の抜けた面をしている。

幼い頃も見た目の通り、常に寝不足気味な感じだったし、どこでも寝る野生児のようだった。

そして母の言った通り、何も言わずダラダラとだが薫は素直に降りてきた。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




大きなテーブルには薫の母が腕によりをかけて作った料理が沢山並んでいる。

薫の母がたくさん食べてねと言うと、蘭子は、はい!頂きます!!と椅子に座るなり早速薫ママの美味しい料理を食べ始めた。


「でも私はてっきり…蘭子ちゃんは高校はあっちで卒業するものだと思ってたわ」

「私もそのつもりだったんですけど、少しこっちの高校でやりたい事があって…」


蘭子は中学二年になる前からちょうど三年間、アメリカのニューヨークで暮らしていた。

両親の仕事の都合だ。

三年前、父の会社が新しくニューヨークに本社を移して事業をすることになったため、母とまだ中学生だった蘭子は父について行った。

薫とは家族ぐるみで仲が良かったため、残って預かることも提案されたが、蘭子が中学生という事もあって、まだしっかりしてないと父が判断した。

だが母が言うには、父は仕事が忙しくあまり蘭子と会えなくて寂しいのに自分だけニューヨークだなんて、たまったもんじゃないと本当のところはそういう理由だったらしい。


「……で、やりたい事って何?」


まるで話など聞いてなかったようにもくもくとTVを見ながらご飯を食べてたはずの薫は、視線はTVに向いたまま蘭子に問いかけた。


「後で教えてあげる」

「…ん、了解」

「………」


絶対聞く気ないだろと蘭子は心の中で思った。




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