あの人は俺たちの兄だった。

「お前たちに手をあげて悪かったな。いや、こんな言葉じゃ済まされんだろうが・・・お前の言うとおり少しずつ変わってみるよ、梓。
昔の、昔の俺に戻ったら俺に詫びをさせてくれるか?」


「うん。待ってるよ、その日を」


俺たちも変わる

だからこの人たちも変わってきっと幸せな道を進んでくれる



「俺の弟たちをここまで育ててくれてありがとうございました」



険しい顔をしていた兄さんも最後には二人に笑顔を見せて俺たちの手を引いた

臣さんが“兄さん”であったように

あの人たちもまた俺たちの

“義母と義父”だったんだ

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