とにかく毎日呟くという二月の挑戦。〜言ってみよう!やってみよう!〜
10日。エルはLOVEのエル。

【2月10日月曜日】

久しぶりの休日。
午前中に家事を済ませてから1時間半くらい半身浴をして、午後、デパートへ買い物に。バレンタインの特設会場は今年も大賑わい。駐車場も第2まで満車で停められず。仕方なく少し離れた提携駐車場に。祭りだなこりゃ、と言いつつちゃっかり乗っかって楽しんでいるのは私だ。

ここ数年、バレンタインといえばperfumeのチョコレート・ディスコが葵的不動のスタンダードだけど、今年世間の空気をリアルに支配しているのは家入レオだなー。「甘いだけのチョコレート♪チョコレート♪」と繰り返すサビは恋する女子のハートをがっちり掴んでいるに違いない。家入レオは、力があるのに適度に甘く可憐、という素晴らしい天からのギフト(歌声)を持っている子だ。まだ若い。たしか今年18歳。同じメロディを歌わせても、普通の人ではこうまで人の耳に残らない。声というのは本当に財産だ。声帯は持って生まれたもの。鍛えることはできても換えることはできない。

なーんてことをつらつらと考えながら熱気に包まれた場所をあるく。
お。やった!今年もお目当てのベルギーチョコレートのお店が来ている。ダスカリデスというお店のトリュフが去年泣くほど美味しかったのだ。(なぜお前の口に入ってるんだというツッコミは遠慮してくれたまえ)さっそく自分ちと職場の分をゲット。わーい♪わーい♪(隠すことなく自分が食べる気満々である)
3年ほど前フランスを旅行した際に、ベルギーはブリュッセルに従姉妹が住んでいたので立ち寄って案内してもらった。パリ起点で日帰りだったので、駆け足でブリュッセルとアントワープを。最後にこれまた駆け足で回ったのがベルギー自慢のチョコレートブランドたちだった。ピエール・マルコリーニにメゾンデュショコラ、ヴィタメール。1粒いくらするんだてめぇこのヤロウ!という強気の値段設定は現地でもそんなに変わらない。そりゃ日本で買うより幾分かお値打ちではあったけれども。…でもやっぱり美味しいんだな。そんなにチョコ好きじゃない私でも白旗を上げてしまうくらいに。とくにトリュフ。あれは酪農王国ならではの贅沢な生クリームに因るものなのかしら。ああ書いてるうちに食べたくなってきた。いかん、夫に渡す前に食べてしまいそうだ。目の前にあるし。もうこの話はやめよう。(ええ)

実家の父にはルタオ(北海道)の新作チョコケーキを配送でお願いして、ひととおり暇そうな春色の婦人服フロアを冷やかしてから(2月だからね。2、8は一番暇な時期です)本屋さんへ。
そしたら入口に永井一郎さんの『朗読のススメ』という本がこれ見よがしに並べてあるではないか。ああ、、、買うしかない。昨日放送されたサザエさんが永井さんの最後の出演作だった。最後まで波平さんは威厳のある父であり孫には優しい日本のおじいちゃんだった。(永井一郎さんは波平さんの声をはじめ、ガンダムのナレーションやナウシカのミト、YAWARAのおじいちゃんなど数々の名役を務めてこられた声優界の大御所です。先日亡くなられた。)パッと立ち読みしただけでもかなり内容が濃い。しかも著者略歴を見てびっくり。京都大学仏文科卒って書いてあった。い、インテリーー!波平さん、高学歴もいいとこだ。仏文科ってったら当時の最先端じゃないか。しかも京大?学者なり官僚なり思想家なりどんな分野でも日本を引っ張っていく優秀な人材足り得ただろうに何がどうしてこんな芸事の世界へ…。わからん。わたしは持たざるものなので持っている人の気持ちはやっぱりわからない。けど面白い。軽い衝撃を受けつつ本を片手に店内へ。

雑誌コーナーではアンディウォーホル×きゃりーぱみゅぱみゅというとてもわかりやすい特集の組まれたものがあった。ポップアートの極致。そりゃあ似合うよね。きゃりーちゃんがウォーホルデザインの商品パッケージに入り込んだような構図。違和感のなさがすごい。可愛かった。
さて、レジへ…と思ったら最後の文庫コーナーでまたしても引っかかる。いや、ウチダ本(内田樹氏。目下のところ東雲最愛の素敵なおじさま。)で新しいの出てないかなーと思って。何の気なしに「ウ」の棚を覗いたのが運のつき。(つき?w)出てたよ、新刊。しかもタイトル何だと思う?

『街場のマンガ論』

ええええええええええええええ!?マンガ?内田先生がマンガ??マンガ読むの内田先生!?!?

知らない方のために少し書いておくと内田樹氏は思想家です。東大仏文科卒。現在は神戸女学院大学名誉教授。専門のフランス現代思想のほか教育論、社会論、文化論など広い範囲に渡ってものを書いておられます。大学の講義をそのまま書き起こした『街場』シリーズが人気。ものごとの構造を原始の状態からひも解いて捉えておられてとても好ましいのです。そもそもこれが生まれた背景、というのを分かりやすく教えてくれる。で、著書を読んでいるといつも難しい哲学者の名前が出てくるんで(東雲には皆目見当もつかない)マンガ、なんて読みそうにない方なんですよ。

それが。
待ちに待ってた内田先生の新刊がっ!
マンガ論!!
、、、軽く書架の前でよろけました。
どうしよう、ちょっと目次見ただけでもすごい。井上雄彦論、マンガと日本語論、少女マンガ論、オタク論、ボーイズラブ論、宮崎駿論、マンガ断想…『エースをねらえ!』に学ぶ、戦後漫画家論。どうしよう、ウチダ先生ボーイズラブまで語っちゃうの。どんな顔して語っちゃうの。やめて、想像したらこっちがなんか悶えてしまいます。

つまり、惚れてるんですわたしは内田先生に。そういうことです。かっこいいんだもん。武道家でもあるんだよ。

はー。あすからの活力を得ました。のんびり、良い休日だった。ほくほく。

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