とにかく毎日呟くという二月の挑戦。〜言ってみよう!やってみよう!〜
13日。絵本!ぐるぐる、Part.2!

【2月13日木曜日】

おおきなかぶ
わたしのワンピース、ももいろのきりん
かわいそうなぞう
ぐりとぐら、ノンタンシリーズ
かいじゅうたちのいるところ
さっちゃんのまほうのて
高学年になったら新美南吉もはずせない。

ざっとわたしを育ててくれた絵本を並べてみた。もちろん他にも沢山あるんだけど挙げるとキリがないので幾つかを。
いまでも一部諳んじることができる。

うんとこしょ、どっこいしょ!まだまだかぶはぬけません。
たんたんたんたん、たんじょうび。きょうはノンタンのたんじょうび!
おかあちゃん、おててが冷たい!おててがちんちんする!

…自分でも驚くくらいスラスラ出てくる。これはもう細胞レベルで刻み込まれてるに違いない。文字通り血肉となっているわけだ。
子供の読みものと侮るなかれ。絵本、すげえ。絵本、バンザイ!幼児の吸収力って怖いなぁ、与えるものを吟味しなくてはと胸に刻んだ次第。
(件のナウシカだって幼稚園児だったころテープ擦り切れるまで観たせいであーた感想ノートであーゆー痴態を晒す羽目になるわけで、、、金曜ロー○ショー育ちだからセリフはおろかCMが入る位置まで完璧にインプットされてるんだよ母ちゃん、どうしてくれんだ←酷い言い掛かり)

てなわけで、「絵本!」(グルグルっ)パート、2!
(わかる人だけ振り付きでご唱和くださったら幸い)

最近の絵本について、うーん何だかなぁ気持ち悪いなぁモヤモヤするなぁチクショーめ!と感じた、そもそものキッカケは「カチカチ山」だった。

かちかちやま。
お婆さんを殺した悪いタヌキに仇討ちするため、お爺さんが賢いウサギに助力を仰ぎ、最後にタヌキは自ら選んだ泥舟のせいで海に沈んで死ぬ、っていうアレ。みんな知ってる日本の昔話。
でも、最近の若者に「カチカチ山」のストーリーを尋ねると綺麗に二分されるそうだ。
簡潔に違いを説明すると、物語の冒頭とラストについて。一方は上に書いた通りだが、もう一方のストーリーを聞いて衝撃を受けた。お婆さんは死なずに怪我をする程度で、ラスト、タヌキも死なない。
ウサギに懲らしめられたタヌキは自分の罪を悔い、お爺さんお婆さんの手伝いをする良い子になって、その後はみんな仲良く村で暮らしました、ってな内容だった。(細かいところが違っていたら申し訳ない)

ええええええええ、何だよそれー!?
と、話題を提供してくれた午後のワイドショーに向かって東雲ドン引き独り言。

だって、「カチカチ山」は私にとって、極めて後味の悪い、焼けただれる背中が熱くて痛い、得体の知れない恐怖を肌で感じた物語だったからだ。
これは勧善懲悪の物語であって、けっしてハッピーエンドの話ではない。仲良しこよしも結構だが、そーゆーのはディズニーさん達に任せておけばよろしいよ。カチカチ山なんだから、カチカチ言わせんかいボケェ!!とすいませんすいません率直に叫んだ次第でございます。(すいませんすいません、でも撤回はしない。)

でもね、この話、紐解いてみると現代に限ったことではなかったんだな、やっぱりというか何というか。オサムダザイ大先生が『御伽草子』のカチカチ山冒頭で語っておられた。さっき文庫本読み返してみてビックリマントルピース。
オサム氏によると、物語の冒頭で殺されたお婆さん、当時の絵本では「婆汁(ばばじる」にされて、お婆さんに化けたタヌキによってお爺さんに食されてしまうのである。わーお!アンビリーバボー。東雲の読んだカチカチ山の、上を行く非道さ。食、人肉、、、しかも夫が長年連れ添った妻を。うえっぷ。そら酷いわ、殺される前に背中焼かれて唐辛子塗りたくられて存分に痛めつけられても、文句は無いわなタヌキさんよ。

オサムっち(おい)はまだ語る。こんな残酷な描写があると子供の読み物としては早々に発禁になるだろう、と思っていたらやはり一部をソフトな描写に変えて発売された、と。ほほう、太宰のころ既に出版社側の規制というものが行われていたらしい。「ほんとうは恐ろしいグリム童話」ってのが一時期流行っていたけど、昔話って往々にして元々は残酷なものが多いんだろうな。残酷、とはいまの私たちの感覚であって、当時のリアルは人間って簡単に死んだり殺されたりするものだったんだろう。野生動物だって、今よりもっと人に害をなす憎い存在だったに違いない。

物語の筋が変わってしまうことについてある程度仕方ないと思う面もある。昔話や伝説の類は、そもそもどこの国でも口承文学だ。村のおばあちゃんや、お家のお母さんの口を通して、子供たちに伝えられてきた。だから、その時代に合わせて少しずつ少しずつアレンジが加えられ、話の筋も変化してきた。それは仕方ないというか、自然な流れなのだろうと思う。思うよ。自分のこどもにベッドタイムストーリーとして語るに、ちょっと躊躇する内容があれば適当にオブラートに包んでお届けしたくもなろう。私だって誤魔化してしまう自信がある。だって、救いのない物語に「なぜ?(報われないのか?)」と無垢な瞳に問われて双方納得のいく答えなんて出せないもの。だったら一応のめでたしめでたしで終わらせた方が、お互い気持ち良く眠りに就けるだろう。実際にそういう場面に立たされたことはないから想像するしかないんだけどさ。

んが!
しーかーしー!

実際自分が直面したときにどーするかという話はちょっと置いておいて。(申し訳ない)

やっぱり嫌なんだ。
なんか嫌なんだ。
この、臭いものには蓋をしろ気質っていうか。
蓋するどころか、上から消臭剤を振りまいて綺麗にラッピングして、まるでそれが最初から美しく麗しいものだったかのように見せている、というこの図が。
どーしても私は嫌な感じがするんだ。
だって、もともと婆汁でしょ?傷口に唐辛子ディップでしょ??なにが仲良しこよしよ!だからなんだってゆーのよ!がうがう。ジタバタ。


はぁ、はぁ、はぁ。
もちろん、ハッピーエンドの物語がいかんと言ってる訳じゃありません。賢明な読者のみなさんは真意を受け取ってくださると思いますが。

話の本筋を操作するのはどうなのか。
そもそもの物語の持つ魅力を勝手に隠していないかい、子供に悪影響だという大義名分でさ。
と、いうのがわたしの主張です。

とりあえず今日はここまで。
絵本について、は明日でおしまいにします。


臭いものには蓋をする
なんなら綺麗にラッピング
自分のことは棚に上げ
今日も五七で責め立てる
(YO!)
絵本に限ったことじゃない
シリーズ、次回で終わります


あしたは短く、お届けします。(笑)

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