とにかく毎日呟くという二月の挑戦。〜言ってみよう!やってみよう!〜
12日。絵本について、1。

【2月12日水曜日】

絵本について、最近思うところが色々あったので今日からしばらくそれについてダラダラと語って行きたいと思います。のんびりお付き合いくださると嬉しいです。

何のきっかけだったか忘れてしまったが、以前友人と話していた際「馬頭琴」の話題が出た。で、「馬頭琴ってアレに出てきたよね、なんだっけ、小学生の時に教科書で読んだ、、、ああ!スーホの白い馬だ!わぁ、懐かしい~」なんてひとしきり盛り上がった。物語の内容はあまり覚えていない。が、“モンゴルの平原でスーホという名の少年が風に吹かれながら馬頭琴を弾いている”という風景だけがわたしの脳裏に焼き付いていたらしい。だからその楽器の名前を耳にしてピン!と思い出したのだ。

先日、なんとも幸運なことにその『スーホの白い馬』の絵本を実際に手にとって読む機会があった。(わお!なんてタイムリーな!)
約30年ぶりのスーホ。挿絵も当時の教科書と同じだ。ああ、なんとも言えない。
もの悲しい雰囲気を醸し出す角ばった線と暗い配色。詳しく知らないが、イラストは赤羽末吉さんという方の手によるものだった。渋い。哀しい。だから良い。やはりスーホの白い馬はこの雰囲気でなくては。

最近の絵本はやたらにかわいらしいイラストがついていて、物語の本質をゴテゴテの絵具で上から塗り固めてしまっているような印象を受ける。(これについては後日もう少し語りたい)でもこれは全然違う。子供向けに描かれているけれど、表紙絵だけでファンシーな要素はまったくない物語であることを告げている。スーホに最適の、説得力のある絵だ。

それから、本編を読んでみて驚いた。馬頭琴という楽器が出てくる、どころじゃない!そもそも「馬頭琴の生まれた由来」というのが物語の主題だった。
スーホの可愛がっていた白い馬が悪い王様によって取り上げられ、白馬は命からがらスーホの元に帰りつくも力尽き、スーホは白馬を琴にしてその音色で周囲の人と自分を慰めていく、、、というストーリー。(余談だが、白い馬には名前すらなかった。スーホは馬のことを「しろうま」と呼んでいた。え!?しろうまってアンタそのまんまやがな!(笑)と思ったけど、それがまた味になっているのよね、素朴なというか、野生味ってのかな。そうよね、現代みたいに名前なんかつけないよね、当時はただの家畜動物なんだから、それで良いんだろう。)

え?みんなは知ってた?スーホの白い馬。そ、、、そうよね。でもわたしはすっかり忘れていたんだ。覚えていたのは、上に書いたなんとなくの風景だけ。でもそれにしたって小学1年か2年の教科書で読んだきりの小話を「馬頭琴といえばスーホよね!」と言えるくらい、明確なイメージで脳内の片隅にしまわれていたのだ。それってすごい力だなって思う。

絵と物語が絶妙にマッチしたとき、単に1+1=2にはならないんだなぁ。ベストマッチのマリアージュ(カタカナばかり使うなー!)は、幼い子供の脳裏に忘れられないイメージを焼き付ける、すごい力を生み出すに違いない。


とりあえず今日はここまで。
また明日♪
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