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八尾 遥
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天邪鬼な私に、宣戦布告されました

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「卒業までに、今の俺も好きにさせる」 そう言って、颯斗は笑った。 ――は?って思った。 だって私は、その少し前にちゃんと振ったのに。 「好きなのは、前の颯斗だから」 ちゃんと、そう伝えた。 それなのに。 なんでそんな、諦めるどころか始めるみたいな顔してるの。 意味わかんない。 私は天邪鬼だ。 みんなが「いい」って言うものは、なんとなく好きになれないし、 本当は嬉しいときほど、わざとそっけないことを言ってしまう。 素直になりたいのに、なれない。 そんな自分が、ちょっとだけ面倒くさい。 だからきっと―― あいつのことも、素直に好きになれなかった。 少し捻くれていて、不器用で、 空気を読まなくて、でもどこか優しかった“前の颯斗”。 私はそっちの方が、好きだった。 なのに今の颯斗は、 誰からも好かれる人気者で、 まっすぐで、ちゃんとしていて、 ……なんだか、少しだけ遠い。 「ほんと可愛くないな、桜庭」 そう言って笑う顔は、前と変わらないのに。 「別に」 そう返すしかできない自分が、少しだけ悔しい。 颯斗は、何度でも言う。 好きだって。 諦めないって。 私を好きにさせるって。 ――ほんと、めんどくさい。 でも。 その言葉が、少しも嫌じゃないと思ってしまう私は、 きっともっとめんどくさい。 それに。 私は知っている。 颯斗が変わった理由を。 颯斗の中に、“何か”がいたことを。 そして―― それがいなくなった今でも、 きっと、全部が消えたわけじゃないってことも。 これは、 素直になれない天邪鬼と、 まっすぐすぎる男子の、 宣戦布告から始まる恋の話。

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