しっとりと   愛されて
「孝二さん、私のこと、好き?」

「好きから大好きに進化した。今夜辺りもっと進化するかもな?」

「それって素敵ね。ドキドキしちゃうわ。」

「じゃ、時計を見ながらやれよ。」

「大丈夫、アラームをつけておくわ。それなら安心でしょ?」

「やり始めたらとまらないか?どこかで聞いたセリフだ。確かベッドで?」

「孝二さん、やっ!」

「わかった、わかった、もう邪魔はしないよ。」

俺は彼女の部屋から引き上げた。

夕食の買出しにスーパーへ寄ったり、クリーニング店へ寄ったりしながら帰った。

「彼女はかなりイカれたヲタクだ。信じられない。」

俺はネットで検索した。

「これは避けたい世界だな、わからなくはないがクレイジーだ。恋人がコスプレフィギュアのクリエイターだったなんて、誰にも言えないぜ。世間は冷たくて偏見の目で溢れている。彼女とは間違っても同棲できない。俺の部屋にアレがあったらぞっとする。そう思ったら一緒には暮らせない。」

俺の長いため息が空しく響いた。

「百合乃、いい女なのに、勿体ない。」

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