今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

望まない変化(歩夢side)

「ただいま」

 僕はいつものように陽菜んちにお邪魔しに来た。

「おかえり」

 迎えてくれるのは陽菜1人。

「おばさん達は?」

 9時過ぎているから2人とも帰ってきてるはず。


「お父さんは部屋に行っちゃったし、お母さんは今、お風呂。歩夢、今日はありがとうね。お弁当とてもおいしかった。今ね、お弁当箱を返しに行こうかと思っていたところ」

「陽菜がわざわざ来なくてもいいのに、必要なら僕がもらいにくるよ」

 容器はいくつもあるから、その日でなくても全然困らないけど。



「歩夢、部屋にあるから、来て」

 陽菜が声を顰めて手招きをした。

「わかった」


 おばさんに知られたくなかったのかな?



 いつもならダイニングテーブルの上に置いてあるから。

 
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