Doll‥ ~愛を知るとき
†02 愛情
「オバサン、こんにちは。」
「エナちゃん、いらっしゃい。」
町の小さな商店で買い物をする。
海沿いの町だから、魚介類は豊富。
「タコなんかどう?イツキくん、タコ刺しとか食べないの?」
オバサンに勧められて、愛想笑いで首を横に振った。
あたしも樹も軟体動物が苦手だから。
大きなスーパーも町にはあるけど、車が無ければ行けない。
樹が仕事の平日は、この商店までしか足を運べない。
それに、樹は あたしが外に出ることを良く思わない。