メガネはずしちゃダメ!
「…」

黙ったままの私に

「黙っといてやるよ…」

その一言で、あたしの目前に芹沢の顔があって、

唇に柔らかい感触…

「口止め料な?!」

何が起こったのかわからないままの、あたしにメガネを返して、

返っていってしまった。

『…なんで、
あんなことすん…のよ……』

あたしのうるさく鳴っている胸を、

押さえながら、まだ気づくことのないこの気持ちを、

沈めるのに必死だった。







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