六月最後の日曜日。
私は布団の中にいて、意識はまだ夢の中だったんだけど。


ピンポーン、ピンポンピンポン……。

インターホンをアホみたいに連打する音が聞こえ目を覚ました。

眠い目を擦りつつ、手探りでスマホを取り時間を見ると、九時を過ぎたところだった。
休みの日は十時ぐらいまで寝てるのに。


こんな時間に誰よ、なんて思いながらのそりとベッドから降りる。


「さあやちゃーん、あーそーぼー」

聞き覚えのある小さな子供の声が耳に届いた。

寝癖を手で直しながら玄関のドアを開けると、男の子が笑顔で立っていた。


「コタ、どうしたの?こんな朝っぱらから」

「ママがね、きょうはさあやちゃんがあそんでくれるっていってたからきたの」


瞳をキラキラさせて言う。
いや、その顔は可愛いんだけどね。


「来たのって、コタ、ママは?」

「はぁい、呼んだ?」


ひょっこり顔を出してきたのは姉の真澄。

そう、私の初恋の竹中郁先生と結婚した、あの姉だ。
息子の竹中虎太郎と手を繋ぎ、二人揃って満面の笑みで私を見る。


もう、嫌な予感しかしない。