私に意味を。
私にはね。
〜夕日side〜

「〜っ!」

・・・夢?

「・・・はぁ。」

また、随分と昔のことを思い出してしまった。

私は結局小学校を卒業するまで、哀れみ、同情、興味の視線にさらされた。

けれどそれは、中学2年生になった今も続いている。

私の通う中学は少し特殊で、小学校からの持ち上がりで、他の小学校とは合併しない。

つまり、小学8年生のようなものだ。

「夕日ー。朝ごはんよー。」

「・・・はーい!」

お母さんには、今も聞けていない。

ワタシの意味が何なのかを。

部屋から出て朝ごはんを食べる。

小学校の頃から、変わらない生活。

ただ一つ、変わったのは。

「・・・。」

毎朝、朝日ちゃんの仏壇の前で、手を合わせること。

朝日ちゃん。

どうして死んでしまったんですか?

あなたがいれば、今の私の生活は、きっともっと輝いていました。

朝日ちゃん。

どうして?

「・・・行って来ます。」

私は、卑怯だ。

一方的に投げかけて、逃げるように家を出て、学校に向かう。

毎日。

朝日ちゃんをまるで敵のように。

物語の悪者のように扱う。

本当、卑怯だ。

大好きなお母さんを責められない。

学校の先生も責められない。

でも、自分も責められない。

だったら、朝日ちゃんしかいなかった。

声も覚えていない、写真の中の女の子しかいなかった。

そんな朝日ちゃんを悪者扱いして、誰にも向けられない怒りの矛先にしてしまっている。

こんな私を、誰が愛してくれるのだろうか?
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