星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】





もう馬鹿、唯香っ。





そうやって心の中、叫びながら

私の脳内では、次に会った時の唯香が
どんな行動をとるかシュミレーションが始まる。



多分……唯香は、
私をちょっと覗き込むような感じで見つけて
謝るんだ。



そんな光景が浮かび上がって、
私は溜息を付きながら一気に体を起こした。



出社準備しなきゃ。




一気に起こしすぎた体は、
頭痛を伴う。



「っイたぁぁぁぁ」



慌てて二日酔いの頭痛に苦しむ頭を
両手で押さえるようにしながら
ゆっくりと体を起こして、
シャワーを浴びに出掛ける。





熱いお湯と冷たい水を交互に浴びながら、
素肌を見つめると、虫刺されの後が
大きく広がってる。





バカは私だ……。






再び、溜息を吐き出すと、
そのままシャワーを浴び終えて、
仕事用の服へと着替える。




鎮痛剤の服用は忘れずに。





自業自得の朝。



それでも……部屋の中の託実は、
優しく微笑み続ける。






おはよう……託実。








天井から見つめ続ける
託実と壁に飾られてる託実に挨拶。









新しい1日が始まる。





1日1日を
精一杯歩いてく。







そんな時間の積み重ねが、
託実に繋がっていくような気がするから。


暫くはLIVEの予定もないから
次に会えるのは、FC旅行の日。






託実が教えてくれた、
私の苦手な朝が眩しく輝き続けるから。






その光の方へ、
私は歩いていくんだ。





今日より、
前へ進むために……。


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